クロちゃんは、やっぱり男だった。
今夜もきっちりクロちゃんは、やってきた。しかし、いつもとちょっと様子が違う。
ま、ま、それはさておき、とにかく、お上がりなさいな・・・という感じで座敷に入れて餌を食べていただく。
ぽたぽたと茶色い液体が床に垂れていく。なんだろう・・・と思いつつ、咄嗟にお尻を見たが、お漏らしではなさそうである。もしや・・・と思い、ティッシュで目を拭く。やはり正体は、前から気になっていた目脂であった。
はじめは、目脂と顔を拭いているうちに、あまりにも薄汚れている黒い毛に白いソックス状になっている足が気になり、結局、全身をお湯で濡らしたタオルで拭いて差し上げた。白いタオルが微妙に茶色くなっていくのを見ているうちに、後先考えずに決意した。つまり、シャンプーをして差し上げた。
幸い(?)我が家にはミュウ猫姫様が来たときに買った2000円以上した猫様専用のシャンプーがある。それは、購入してからすでに6年以上経つというのに、使うのは年に数回なので、いっこうに減らないという貴重品?であった。
ミュウ猫姫様ほどの抵抗はないが、さすがに背中を本格的にお湯で流させていただいたときには、不快になったらしく、ちょっと抵抗していたが、美しい白いソックス状のおみ足を復元することには何とか成功した。
ドライヤーで濡れた毛を乾かそうとした途端に、すごい力を出して逃げ出し、餌のあるマットの上に行く。猫は電気音が大嫌い。クロちゃんは、ドライヤーの音を初めて聴いたのかもしれない。
その後は、あわてて寄っていった私に向かって、甘え声を出しながらも、自分で体中を舐めていた。私もタオルで拭いて手伝って差し上げ、やっと安心してクロちゃんを抱っこできる状態になった。
が、しかし、クロちゃんは、ときどき落ち着かない様子で窓の外を見ている。そして威嚇している。っていうか、ウチのミュウちゃんですら存在を忘れていた我が家の障子に空けられた猫の頭大の穴に首を突っ込んで、黒い頭をぐりぐり動かしながら外を見回している。思わず窓から外を見ると茶トラの大きい猫(オスかメスかは不明)が、庭を横切ろうとしていたのか、クロちゃんを追ってきたのか、とにかく、闇の中に、佇んでいる、のである。
クロちゃんは、家の中では甘えるような声を出しつつも、外の茶トラに向かって吠えて?いた。たぶん、「おい、ここは(これは)俺のテリトリー(女)だ。近づくな!!」と・・。
ごめん、クロちゃん。あたし、一気に醒めた。
だって、実はあたし、ほんとのこといって、男の人って、マジ怖いんだもん。
(年を重ねても、こればっかりは変わらない。相当に根深いトラウマである。)
クロちゃんのそーゆー男っぽいところ、って、あたし、もう本当に怖いし、嫌だし。
ウチの夫は、流行りの言葉で言えば、完全なる草食系。あたしにとっては男を感じない中性的な人。だから、ま、一緒になろうって思えたわけで・・・。いえ、あたしは、ごくフツーのシュミの女だけど、とにかく、全面的に男っぽい男、肉食系男子は、まったくもって苦手なのである。(非常に封建的で厳格な田舎の家庭で育ったせいだと思う・・・)
ってか、あたし、猫にまでこーなのかと思って、内心かなり黄昏れた。
ま、ジョーダンはさておき。
ミュウ猫姫様が、近頃、ひどく黄昏ているのである。日中もほとんど2階で過ごし、大好きな風呂蓋浴も、(毎晩、一緒にお風呂しているのに)今日は、もう怯えてしまって、お風呂にも近づけず、大好物の猫缶も、なかなか食べようとはしてくれなかったのである。
階下に降りてくるときは、尻尾もしな垂れていて、常に自信なげな中腰状態のミュウ猫姫の様子が、今夜は特にひどかった。
悲しいけど、クロちゃんは本妻様の元にきっぱりとお返しした方がいいと思った今夜なのである。
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コメント
KO.KO.DAYS、NO.3、送付いただきありがとうございました。2年ぶりの発刊、おめでとうございます。長田さんの詩篇「世界の果てでは雨が降っている」、後半に登場人物が「オサダさん」と判明してから、俄然、世界が、狂気と正気の変転する世界に突入していきますね。驚きました。次号、早く、発刊されることを願っています。 A.Q
投稿: A.Q | 2009年10月20日 (火) 19時46分
AQ様
ご感想、ありがとうございます♪
とても嬉しいです。
まだまだ追求が足りていないと感じています。頑張らなくちゃ。
次作もぐだぐだした怖いものを書きたいです。
投稿: KO.KO.DAYS | 2009年10月20日 (火) 20時35分